研究概要 |
各班員による各個の研究の他に班全体の研究は次の3点に絞った。 1. 單一試料による測定比較:昭和59年3月に各施設に発送した試料を各自のClean-up法に基ずき測定した結果を班会議で検討した結果、次の点が明らかになった。a.ガスクロマト質量分析法(GC-MS)、放射免疫測定法(RIA)酵素免疫測定法(EIA)を含めて、添加試料(6-keto-PG【F_(1α)】1ng/mlの測定値のバラツキは2倍の開きがあり、ほぼ満足出来る結果であった。しかし無添加血漿の6-kets-PG【F_(1α)】値には各施設間で大きな開きがあった。b.Sep-pak【C_(18)】より種々の妨害物質が遊離するので充分注意の必要がある。しかしSep-pakなどの濃縮過程は必要である。C.妨害物質除去のため、高速液クロ(HPLC)または薄層クロマト(TLC)の何れかを組合せる必要がある。d.Sep-Pakの洗滌の溶媒に注意が必要である。e.回復率に用いる〔【^3H】〕-6-keto-PG【F_(1α)】の純度が低いことがある。回収率が低いため補正値が高く出る可能性がある。f.標準物質による検量線が各施設で異ないている可能性がある。單一溶液を用いる必要がある。g.GC-MSの血漿6-keto-PG【F_(1α)】値がRIAより高い理由は、この物質の異性体との化学平衡があり一方をRIAが測いているかもしれない。などのことが討論された。 2.11-dehydro-TX【B_2】のRIAキツト他:單クローン抗体を作成中である(山本)。この物質のラベル化が試みられているが困難もある(川崎)。3.ロイコトリエン測定法の検討:感度をあげるため市販のRIAキツトの妥当性及び前処理法の検討がなされた。LT【B_4】はSep-Pak処理後、HPLCで分離しRIAで測定可能なことが示された(鶴藤)。また試料をpH3.5に処理し、Sep-Pekで前処理するでけで効率よくLT【C_4】,LT【B_4】共に測定出来ることが報告された(上野)。pHを6-7にすると、カラムで、LT【C_4】とLT【D_4】を分離抽出することが出来る(寺尾)。
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