昭和59年度は、糖組成分析のための水解条件、ピリジルアミノ化による螢光標識、螢光標識された単糖の逆相カラムを用いたHPLCの分離条件を検討し一応0.1ナノモルの試料を用いて糖組成分析が出来る様になった。今年度は前年度に続きさらに次の点を改良し、さらに方法の自動化と高感度化を行いほぼ目的を達成した。 1)分析操作中不純物として混入するグルコースの除去。分析試料を加えないで、水解、ピリジルアミノ他、脱塩をしてHPLCで分析すると約200ピコモルのグルコースが検出されていたが、赤熱し有機物を分解した水解用の試験管を用い、蒸留直後の水を使用することにより、グルコースのピークがHPLCで全く検出されないように改良した。この条件下で分析を行うと40〜60ピコモルのグルコースが検出された。これは試料中に混入していると思われる。 2)G2000PWカラムを用いた脱塩の自動化。ファーマシア製のFRAC-100フラクションコレクターとベックマン332HPLC装置を用いて自動的に脱塩出来る様にした。 3)HPLCによる糖分離の改良ならびに自動化。ウルトラスフェアー-ODS(0.46×25cm)のカラムの代りにウルトラスフェアー-ODS(1.0×25cm)のカラムを用いることにより、従来グルコース、マンノース、キシロースの分離が不充分であったのが、定量出来る程度に分離出来た。またウォーターズ710Bオートインジェクターとベックマン332HPLC装置を用いてサンプルを自動的に分析出来るシステムを作った。
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