3年次計画の第2年次としての研究実績の概要は、次の通りである。 1.2年次の教育実習【II】(観察参加)の事前事後訓練を志向した授業観察プログラム(試案)を作成し、2年次一学期に開設された教育実習【VI】(教育工学実習)において実験的に試行した。 本プログラムは、「学習」というものを環境との情報の入出力関係で把握させるため、メリルの学習モデルに基づいた授業行動の観察試述を中心にしている。実験試行の結果、幼稚園児及び小学校児童の心的状態を推測させたことが授業観察の視点を幅広くすることにつながり、3年次教壇実習において学習者の特性を把握したうえでの授業設計をさせるために有効に機能することがわかった。 2.年次の教育実習【III】(普通教育実習【I】)の事前事後訓練を志向した授業観察プログラム(試案)を作成し、3年次教育工学実習において実験的に試行した。 本プログラムは、ビデオテープの鏡的利用及びプロトコールによる教授学習行動の分析、ならびにカテゴリーシステムによる実習生自身の実習授業の分析・検討を中心にしている。200人の学生全員に対して教育実習中の自分の授業をビデオ録画させ、それをもとにして本プログラムを試行した結果、自分の授業の特徴及び問題点を解明するために有効に機能するという知見を得た。 このプログラムは、3年次教育実習を終了したあとに大学において自己研修をしていくための課題を発見させることにも有効に機能し、4年次への事前訓練ならびに卒業研究の課題発見に有効であるということもできる。 なお、研究資料として、記述形式プロトコール、教授意図学習者行動判断結果記入シート、及び使用した教材の各資料をセットにした授業ビデオテープがライブラリーとして利用できるようになった。
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