最近の、パーソナルコンピュータの発達により、これを学校教育の中でどのように活かしていくか、ということは、世界的に焦眉の急の問題として追及されている。本研究では、以下のことについて、特に研究をすすめた。 (1) どのような教材が、パソコンの利用で、効果的になるか。現在多く利用されているのは、ドリルとしての用法であるが、本研究では、生徒が、学習に、より多くの興味、関心、意欲をよせるためのパソコンの効果的利用法を追求している。意外性により関心を高める方法。現象的に見せることにより、理解をより深める方法。自ら発見する喜びを与える方法。等々、種々の観点がある。 (2) 画像、音声の利用は、前項の見地にたっても、特に関心のもたれることである。本研究では、レーザーディスクを、数学教育でどのように活用していくか、ということに一つのポイントをおいている。特に一斉授業の中での利用が中心とする課題である。残念ながら、システムの構築に手間どり、まだ自前のディスクを作って実験授業をするという段階にまではいたらなかったが、既存のディスクを使って、どのようなことができるか、ということについて研究をすすめた。 (3) 高等学校における情報処理の授業が、主に数学科の教師が担当している現状に鑑みて、どのような授業を展開すべきか、ということについての研究をすすめた。 (4) 各学校においては、パソコンの利用として、授業時間割作成、成績処理などのCMI的な使い方も重要となっている。これについて、実施しているところの間での情報交換を行い、これらに伴って生ずる困難性、およびそれらをどのように解決しているか、ということを、論じている。また、更に、このような利用法の発展も、大きな関心がもたれるところである。
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