研究課題/領域番号 |
59890011
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
吉里 勝利 北里大, 医学部, 助教授 (20095516)
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研究分担者 |
永吉 紀美子 北里大学, 看護学部, 助手 (00189169)
並木 秀男 早稲田大学, 教育学部, 助手 (50120928)
楠 慎一郎 (株)アドバンス, 生命科学研究所, 所長
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キーワード | 人工肝臓 / 肝細胞 / 線維芽細胞 / 細胞培養 / 細胞組込み型人工臓器 / コラーゲン |
研究概要 |
我々は、細胞組込み型人工肝臓をめざして、肝実質細胞の長期維持に関する研究を行ってきた。 1.線維芽細胞との相互作用について。肝細胞を長期維持するには、線維芽細胞をフィーダーとして使用することが、非常に有効であることは、既に明らかにした。前年度までは、3T3細胞を用いたが、ラット肺由来の線維芽細胞で同様な有効性を認めることができた。位相差顕微鏡でみる限り、少なくとも50日の維持が可能であった。間接螢光抗体法によって、アルブミンの良好な維持も確認できた。PAS染色によれば、グリコーゲン顆粒の維持も良好であった。電子顕微鏡所見も概ね良好であったが、培養期間の長期化に伴って、次第に脂肪粒の増加がめだつようになった。このことは、組織化学的染色によっても確かめられた。長期化に伴う、培養液の組成の変化を工夫する必要があると考えられる。フィーダー細胞の有効性の原因は、これからの課題であるが、フィーダーと肝細胞の相互作用によって、細胞外マトリックスの合成分秘が盛んになることや、成長因子などの放出が考えられる。 2.三次元培養。肝細胞を人工肝臓として使用するためには、一定の体積の中に、より多くの肝細胞を閉じ込めて培養することが必要である。このため肝細胞をコラーゲンのゲル中で三次元的に培養することを試みた。肝細胞だけの培養では、良好な結果をうることが、できなかった。しかしながらこの場合も、線維芽細胞と共に培養すると、長期にわたっての三次元培養が可能になった。 3.肝特異抗体の作成。フィーダーと肝細胞を識別するために、肝特異抗体が必要になったが、肝細胞をウサギに注射免疫することによって得ることができた。将来の研究に役立てたい。 4.灌流培養装置の開発。肝細胞をより良好な状態で長期培養するために、【O_2】レベルおよびpHを制御しつつ、培養液を灌流できる装置を開発した。この装置の有効性の検討は今後の課題である。
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