研究概要 |
昨年度に引き続き新増感剤の開発ならびに従来開発してきた薬剤の効果検定を、重点をin vivo (in vivo,in vitro assay,growth delay法、【TCD_(50)】法)に移しつつ検討した。 1.ニトロ系増感剤 imidazole系以外に、nitro-benzene,-pyrimidine,-pyridine,-thiazole,-triazole系の多数の化合物を合成し、thymine水溶液中でのthymine-glycole産生量でまずscreeningし、ついでV79細胞での増感能をみた。in vitroで有効な化合物をin vivoで検定したがその多くは急速な代謝のためin vivo活性は低く、imidazole系、triazole系に有望な物質が得られた。とくにtriazole系では、中枢神経系移行性の低い増感物質があり、in vivo assayでも有効性を認めたが、misonidazoleより優れているとはいい難かった。またnitrofurazan系もin vivoでの有効性は低かった。nucleoside型側鎖をもつnitroimidazoleは、動物レベルでもmisonidazoleより高い毒性効果比が得られ、nitroimidazole側鎖置換体の開発が有用と考えられた。 2,非ニトロ系増感剤 複素五員環に、sulfid,sulfoxid,sulfon型の側鎖を付けた多くの化合物を合成したが、in vitroでは有効であったがin vivoでの効果は低かった。mercaptoimidazole,cyclopentene dione等も同様の傾向がみられた。細胞内thiol抑制剤としてはDEM,BSOにつづいてoridoninを試み、少量のmisonidazoleとの併用で相乗効果が得られたが毒性に難点があった。 3.膜活用物質 phonothiazine系膜活用物質については、大腸菌に対する増感効果が軽い温度処理によって著しく増強し、また少量のmisonidazoleの併用で相乗効果が得られる事を見出した。
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