研究課題
著者らはさきに台湾ヒノキの成分であるヒノキチオール【1!〜】とアセタール【2!〜】とを反応させて、制がん作用を有するモノートロポロン誘導体【(3a)!〜】とビスートロポロン誘導体【(4a)!〜】が得られること、および【(4a)!〜】は【(3a)!〜】よりも約100倍の強い活性を示すことを認めた。1. 制がん性トロポロン誘導体の 合成と構造-活性相関の検討 (1)モノ-トロポロン誘導体【(3a)!〜】の構造変換を行って、【(3a)!〜】よりも強い活性を有する誘導体数種を得た。(2)ビス-トロポロン誘導体【(4a)!〜】の構造変換を行った。すなわち、【(4a)!〜】のトロポロン環の水酸基やカルボニル基はいづれも活性発現に必須であることがわかった。(3)非トロポロン誘導体の合成を行った。すなわち、【(4a)!〜】のトロポロン環の代りに、複素環あるいはベンゼン環を有するビス型の化合物を合成した。【(5a)!〜】以外の化合物は全て不活性であった。2. X線構造解析による【(4a)!〜】の三次元構造を解明した。3. 制がん作用機作の検討(1)【(4a)!-】はDNA鎖の切断をする作用はなかった(2)【(4a)!〜】はグリオキサラーゼ1の酵素活性を強く阻害した。(3)【(4a)!〜】は微小管に結合した蛋白質の集合、および【^3H】-コルヒチンの微小管への結合に対し阻害作用を示さなかった。以上の結果、この系の化合物はコルヒチンとは異った機作で制がん作用を発現しているものと考えられる。
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