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1985 年度 実績報告書

腫瘍細胞障害物質を産生するヒトB細胞株の樹立とその物質の性状解析

研究課題

研究課題/領域番号 60015101
研究機関日本大学

研究代表者

小野 魁  日本大学, 医, 教授 (30004675)

キーワードヒトリンホトキシン / ヒトBリンパ芽球様細胞株 / Epstein-Barrウイルス
研究概要

ヒトBリンパ球をEpstein-Barrウイルスによりin vitroでトランスフォームすると増殖してきた細胞の培養上清中に腫瘍細胞に対して増殖抑制あるいは殺傷効果を有する物質が存在することが判明した。そこで、この腫瘍細胞境害物質を安定にかつ高産生を維持する細胞株を樹立した。すなわち正常人の未血を採取し、Eロゼット法によりT細胞を除去しEBウイルスによりmoi0.1で感染させマイクロタイタープレートに5×【10^3】cells/wellから2×【10^4】cells/wellになるように接種し、1200wellsからなるオリゴクローン培養を行った。4日毎の培地交換を行い、4週間後その培養上清のL929細胞に対して殺傷効果を有する細胞を限界希釈法および軟寒天法によりクローニングし最終的にL929細胞に対して高力価150単位の殺傷効果を有する細胞株の樹立に成功した。この細胞をスピンナー培養法あるいはローラーボトル培養法により大量培養し、その物質の単離精製を試みた。培養上清をDEAEセルロースおよびセファデックスG100カラムクロマトグラフィーに供することにより分子量65000の活性画分を得ることができた。この活性画分を用い腫瘍細胞に対する抗腫瘍効果をin vitroの系を用いて検討した。ヒト株化腫瘍細胞Adenocarcinoma5例およびBurkitt's lymphoma3例について抗腫瘍効果を検討したところ前者では5例中4例、後者では3例中3例が有効であった。対照としてWI-38およびHELを用いて検討したところともに正常に増殖したことからこの効果は腫瘍細胞に選択的であると考えられる。さらにヒトtumor clonogenic assayにより胃癌4例および大腸癌2例について初代培養系において抗腫瘍効果を検討したところ、4例で有効であった。現在これらの細胞のin vivoの系における抗腫瘍効果に関する実験系を展開中である。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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