鎌田は四国の4地点を選んで中時間確率ハイエトグラフの算定法について研究し、【R_6】と【R_(12)】または【R_3】と【R_(12)】を用いるときの条件について調べた。端野はFreund型分布を用いた2変数指数型分布理論に基づき計画降雨波形を確率論的に定式化し、合理的な計画降雨波形の決定法とその妥当性を実資料の解析により示した。福田は確率雨量の算定における計算法と図解法とを比較検討し、また、神田川の資料より降雨規模と内水災害との関係が1次式で表わされることを明かにした。大橋は松山市川付川流域の38個の出水記録について解析し、都市化の影響による保留機能の減少を認め、また小ピーク流量時の流出特性の変化を明かにした。尾島は徳島市町海部低平地自由地下水について水収支解析を行うとともに、塩分挙動を一次元移流分散現象として解析し、その季節的変動と塩水化進行状況を把握した。豊国は都市流出シミュレーションモデルを調査流域に適用し、サーチャージを伴う出水に対する適用性と諸特性間の関係を明らかにするとともに都市域の浸水対策に関する有用な指針を得た。近森は高知市近郊の宅地開発の進展を5年ごと3個の1/2500地図と航空写真などにより地目とその規模の変化としてとらえ、流出特性の変化とその将来のあるべき姿について研究した。三井は侵食進行中の鳴門市岡崎海岸における漂砂収支を潮流を考慮した入射波の屈折計算および過去の台風接近時の潮位計算により求めた。その結果、岡崎海岸に入射し侵食を起す波について有用な結果を得た。玉井は海岸堤防隅角部周辺に作用する波圧の変動特性と堤脚部洗掘との関係、および海岸堤前面ブロック堤の消波および洗掘防止について検討した。村上は徳島県浅川町を襲った南海地震津波被害の聞取りと痕跡調査を行ってその発生原因を炭るとともに、数値計算により浅川湾の津波特性について検討した。
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