研究目的 本研究はレブンアツモリソウをはじめ、秒少植物の生態を明らかにし、礼文島における種の保存をはかるとともに増殖技術を確立する。 更に、増殖した種を一部販売し、自然保護のための資金として還元し、新しい型の自然保護のパターンを作ることが目的である。 研究の経過、成果ならびに考察 レブンアツモリソウの生態把握のために、標識株を50本追加した。前年度のものとあわせて約90本の標識をつけた。この成長過程の追跡は今後の課題である。 人工受粉を開花期にあわせて行った。本年は、開花時期が10日以上早く、5月下旬から開花した。 日照時間をみると4月中は大きな差はない。5月上旬と中旬を比べると昭和60年度は107.8と昭和59年度51.9で大きな差がある。5月下旬は90.9と111.3で大きな差はない。開花最盛期が昭和60年度5月下旬だったのは、この上旬と中旬の日照量が大きかったためではなかろうか。 昭和59年度は 90% 60年度は、60〜87%を示した。レブンアツモリソウの結実率は開花日と天候に左右されるようである。 昭和60年は、各フィールドで231個の朔を確認した。尚、人工受粉は6月上旬に、朔の確認は9月23日に行った。 昭和60年度の人工受粉を行った本数は428本であり、このうち80%が結実したとすると342本の朔が形成されたことになる。10月上旬、一部の朔を試験的に播種した。
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