1.活性汚泥の浄化機能の促進について次の結果が得られた:脱ハロゲン能を持つ微生物4種のうち、【IAM_(1202)】株が塩素放出量が最も多かった。嫌気好気法によるリン酸の除去について菌の単離・培養過程での培養を経ることにより、嫌気好気法の汚泥のもつ特性が失なわれてしまう可能性が高く、高塩濃度や老廃物質の阻害効果も考慮する必要があること、嫌気条件におけるリンの放出は窒素ガスを吹き込まないで嫌気条件を与えた場合は、どの菌株でも認められた。好気条件において菌体内に過剰に蓄積されたリン酸の状態は比較的低分子のポリリン酸であった。高希釈率でかつ低溶存酸素濃度下では亜硝酸の相対的な蓄積がみられた。 2.余剰汚泥発生量の低減化に関しては次の結果が得られた。:CODでは消化温度が高く、消化日数が長いほど細胞物質の自己酸化が活発化し、溶解した物質が蓄積増加した。変異株について、菌体の維持代謝に消費される基質の増加することが菌体収率の低下につながった。現行の標準活性汚泥法に与えられた技術的基準が、流入水量からみて15〜65%の余裕を持ったことがわかった。微生物集合体におけるグルコースと酸素の拡散係数は微生物密度の増加につれて減少し、屈曲係数は生物密度の増大とともに増大すること、また微生物COD/Kj-Nに影響されることがわかった。 3.余剰汚泥の有効利用に関して次のことが明らかになった::堆肥化反応モデルを組み立て、定温条件下でのコンポストの一次発酵過程での分解率の経時変化はContoisモデルをもとにした式で表現されることが判った。下水汚泥を6年間にわたって施用した圃場において、亜鉛は表層から25cmの層まで漸減的に流出し、銅は下層へはあまり流亡しないことが示された。小河川から汚泥までの病原細菌の消長を調べた結果、市街地小河川には少なからぬ病原性細菌が検出された。
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