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1985 年度 実績報告書

廃水中の溶解汚染物質除去のための膜材料及び装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 60030049
研究機関京都大学

研究代表者

江口 弥  京都大学, 工, 教授 (10027120)

キーワード逆浸透膜 / 限外ろ過膜 / 膜細孔 / 疎水性膜 / マクロモザイク膜 / ガリウム分離濃縮膜 / スパイラル型含浸液膜モジュール / 乳化型液膜
研究概要

本研究では上記研究課題につき、特に選択透過性と実際的応用に重点をおいて検討を進め、次のような実績を得た。
1.電界放射型電子顕微鏡を用い、今まで困難とされていた限外ろ過膜の細孔写真の撮影に成功し、写真から細孔径分布を測定した。平均細孔径の大小は膜の分画分子量の大小に対応していた。膜の溶質透過流束は平均孔径と開孔率で表現できることがわかった。
2.耐アセトン性逆浸透膜の開発を目的として、ポリイミド限外ろ過膜にポリエチレンイミンの水溶液を含浸させ、トルエンジイソシアネートのヘキサン溶液と接触させ、界面重合法で複合膜を試作した。この膜は従来の膜と同等の分離率を持ち、透過流束は6倍にも達した。
3.親水性膜と疎水性膜とを適当に組み合わせることで、非イオン性界面活性剤の濃縮、排除による廃水からの分離が可能であることがわかった。また開発したドナン透析プロセスは、従来の透析プロセスに比較して著しく速い効果的な脱塩が可能であることを確認した。
4.銅およびガリウムイオンのキャリヤーとして、長鎖アルキルクペロンを合成し、炭化水素溶液に溶解させた含浸膜で分離濃縮実験を行なった。銅と亜鉛イオンの混合液から銅を、ガリウムとアルミニウムイオン混合液からガリウムを、ほぼ完全に分離濃縮できた。
5.ポリプロピレン製多孔質膜を用いて、スパイラル型含浸液膜モジュールを試作した。コバルトイオンの回収実験では、99%以上が回収され数百倍に濃縮された。回収率と操作条件の関係は膜透過式で定量的に説明できることがわかった。
6.乳化型液膜による重クロム酸イオンの濃縮回収実験を行なった。金属イオンの濃縮分離は、界面活性剤と抽出試薬との組合わせに大きく依存することを示した。適切な液膜組成で回分及び連続実験を行なったところ、液膜は数回の繰返し使用に耐えることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 膜. 10-5. (1985)

  • [文献書誌] Ind.Eng.Chem.Fundamentals. 24-4. (1985)

  • [文献書誌] Ind.Eng.Chem.Fundamentals. 24-4. (1985)J.Membrane Sci.

  • [文献書誌] Sep.Sci.Technol.21-3. (1986)

  • [文献書誌] Sep.Sci.Technol.21-3. (1986)膜.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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