研究概要 |
1. 石炭の液化反応機構、反応速度および触媒作用を検討する目的で、高温、高圧型常磁性共鳴吸収装置を開発した。この装置を用いてモリブデン触媒の活性機構を明らかにした。 2. 液化反応条件として低温長時間、高温短時間の2段階を組み合わせをすることにより液収率が向上することを明らかにし、ワンドアン炭についてその最適化を行った。 3. 石炭液化反応に用いる鉄系複合酸化物触媒を開発し、それらの活性機構、選択性について検討した。モデル反応も併せて行った結果、水素圧が低く共存水のある条件で【Fe_2】【O_3】-Si【O_2】の酸性が高活性を示した。 4. 石炭への効率的な水素添加を行うための金属祭化物触媒中の祭黄原子の挙動を検討した。触媒中の祭黄原子は原子価が拡大することにより反応が促進され、水素原子が効率よく移動することを明らかにした。 5. 液体金属および液体合金触媒を用いた石炭液化反応を試験した。SnにNi,COを添加した液体合金触媒は水素化能が格段に向上することを見いだした。 6. 石炭関連化合物の水素化分解の反応機構を検討した。難分解の結合の一つであるジアリルメタン型架橋結合を切断するためには、芳香核の水添,ラジカル源の添加,二元系溶媒の使用が有効であった。 7. モリブデン系触媒を用いて、一次液化油の水素化分解反応における気相水素、溶媒中の水素の移行機構を【^3H】トレーサを用いて解明した。 8. 高温短接触時間で瞬時に水素を移動させる反応を組み込んだ二段液化法を提案し、溶媒として水素化フルオランテンの挙動を検討した。液化油の水素化脱窒素反応について反応条件、触媒の効果を検討した。 9. 石炭の可溶化法として金属-アルキルハライド系の反応を検討した。きわめて温和な条件で石炭から多量の可溶化物をうることができた。
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