総括班会議および計画研究班代表者会議を併せて3回おこない研究方針および研究成果を討議した。また公開講演会を開催し(昭和60年12月8日、東北大学、仙台)、総合的講演発表をおこなった。研究成果報告会(昭和61年2月1日、2日国立教育会館、東京)において全研究62件の口頭およびポスターによる発表が2日間にわたりおこなわれた。また計画班の湿式光電池および固体素子グループによる合同研究討論会(昭和60年7月13日〜15日、富士教育研修所)を開き、化学、物理、電気等異なる領域の研究者による密度の濃い討論をおこなった。次に各研究班の成果の概要を記す。 1."光エネルギーの可逆的貯蔵物質システム"研究班では、高ひずみ化合物を含む光原子価異性化反応の高効率化および実用化を目ざしたドナー、アクセプター官能基、水溶性置換基、長波長光吸収の置換基の導入やフッ素化などの研究が一段と前進した。 2."分子触媒による人工光合成"研究班においては、高効率の光変換分子素子の実現をめざし、光誘起電荷分離効率に対する分子構造および微視的環境の効果が明らかにした。 3."界面光機能を用いる太陽エネルギーの化学的変換・貯蔵"研究班では、Siなど水溶液中で腐食をうけやすい半導体を金属や導電性ポリマー被膜によって安定化する研究が研究された。 4."光発電素子の高効率化システム設計"研究班では、高効率化用波長分割型太陽電池の理論解析をもとにした高効率太陽電池の開発、プラズマ分解法によるGaAsあるいは光CVD法による【II】-【VI】族化合物半導体の合成などを行なった。 5."生体の光合成による光エネルギー変換とその利用"研究班では、色素タンパク質複合体、光化学反応中心などをポリペプチドの構造、高次構造の形成、複合体形成などの究明をおこなった。
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