研究概要 |
東北地方豪雪地帯では、冬期間の暖房エネルギーの確保及び雪の始末は、住民にとって極めて切実な問題である。地域の特殊事情に見合った代替エネルギーの開発は、緊急を要する課題である。 本研究は、夏の熱エネルギーを地下帯水層に蓄え、冬期間の暖房熱源、融雪熱源に利用し、使用済み冷水は、再び地下蓄熱して夏の冷房に活用するという一年を周期とした自然熱複合利用の基礎研究である。 1.熱回収実験 山形大学地下帯水層蓄熱実験で、熱回収率52%を達成することができた。すなわち、夏期平均温度27.4℃、水量30,300【m^3】の微温水注入により、冬期平均22.5℃で同量を回収した。 2.ケーシング熱損失の概算とその低減法 ケーシング熱損失の概算法を提示するとともに、その低減方法を検討した結果、原掘孔とケーシングの空隙を20cmとして、そこにセメントミルクを注入してやることにより、1サイクルあたりの熱損失を9%台に低減できる見通しが得られた。 3.Fe【(OH)_3】コロイド膜の形成 地下帯水層にFe【(OH)_3】コロイド膜を形成して自然地下水流を押え、熱回収率を増大させる工法が可能である。
|