1 高分子系吸着剤:イミノプロピレンアミドキシム型樹脂を合成した。この樹脂は機械的強度も充分で、選択性もあるが、PH5で吸着極大を示し、海水のPH8ではウランをほとんど吸着しなかった。またアクリル酸型樹脂にアミド結合でプロピレンアミドキシム基を結合させウラン吸着性を調べた。その結果側鎖に官能基をもつものは非常に良好なウラン吸着性を示すことが判明した。 2 含水酸化チタン系吸着剤:含水酸化チタンスラリーとアクリルアミドモノマーを混剤した後、70〜100Cの有機溶媒中に滴下し、脱水しながら造粒を行なった。しかし、この方法では含水酸化チタンの量を1gの吸着剤あたり0.2g以上には上げることが出来なかった。そこで含水酸化チタンの含有量を増した混和物中に活性炭を添加し、同様に有機溶媒中に滴下した。その結果、アクリルアミドの量が少なくても固形化した。このような方法によるとチタンの少量アクリルアミドの少量で吸着剤の製造が可能となり、極めて有望と思える。 3 ウラン(【VI】)の螢光光度定量法:感度のよいウランの螢光法の開発を行なった。螢色はリン酸で行なうこととした。前処理の濃縮法としてアミドキシム型樹脂カラムによる吸着濃縮、トリオクケルホスヒンオキサイドによる溶媒抽出濃縮を検討した。その結果、樹脂2gをつめたカラムに海水500mlを流し、水洗後、2Mリン酸、1M硫酸混涎で脱着し、そのまま螢光光度を測定すれば簡単に定量可能なことが判明した。またトリオクケルホスヒンオキサイド抽出、炭酸アンモニウム逆抽出リン酸発光でも定量可能と思える。
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