本研究班は、磁気閉じ込め核融合装置に必要とされる高性能超電導マグネットの開発を目標とするエネルギー特別研究(核融合)第4班の研究活動を常時把握し、研究の効果的推進と適切な研究の方向づけを行うために編成されたもので、本年度は下記の諸活動を行った。 1.総括班会議:本年度は計6回の総括班会議及び幹事会を開催し、研究活動の方向づけ、重点検討項目の審議を行うとともに、総合総括班事業の提案、日米協力事業への協力、第4班主催のワークショップの企画、次年度の研究計画の検討を行った。 2.ワークショップの開催:第4班では、材料→電磁現象→マグネット技術と研究の重点を移すことを当初からの基本方針としており、これまでの研究成果を、最終目標である超電導マグネット技術の研究に結集させる方策を検討するために「核融合実験装置の超電導化」に関するワークショップを企画し、第4班総括班事業として開催した。ワークショップには第4班関係者の他、多数の専門家が参加し、今後の研究の方向づけを行う上で有意義な密度の濃い討論が行われた。なお、この内容は研究成果報告書として印刷配布された。 3.課題研究の成果のとりまとめ:第4班の本年度の課題研究は、計画研究4件(内1件総括班)と公募研究15件計19件である。これらの成果は、研究成果報告会で集中的に報告討論され、成果報告書として印刷配布された。3件の計画研究は、各々順調な進展を示し、マグネット材料の計画研究では、超電導基礎物性に加えて中性子照射・歪等に関するデータが蓄積され、またミクロ構造と臨界電流との関係が明確になってきた。基礎現象の計画研究では、従来の線材に対する電磁現象面の解析から、実用導体としての設計に対する指針を得る段階へと進んだ。マグネット技術の計画研究では、マグネットのクエンチ機構や種々のマグネット冷却方式について多くの成果が得られた。
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