昭和58年に発足した研究作業班;(1)X線の輻射と輸送、(2)状態方程式と電子輸送係数、(3)核反応生成粒子と高エネルギー電子の阻止能及びプラズマ中の原子のモデル、(4)データベースの整備とシミュレーションによるペレット設計への応用、で活動を継続し、3年間の成果を取りまとめた。 1.X線の輻射と輸送 高Z・多価電離イオンからのkeVのX線の輻射過程につき検討した。短波長レーザーでは、内殻励起によるkeVX線が強くなることが実験的に明らかになった。高エネルギー電子発生とプラズマ中の原子過程を再検討し、実験結果と比較することにより、理論モデルの精密化を計った。 また、X線スペクトル計測結果の解析のため、DVXα法により、イオンクラスターのエネルギー準位を計算し、そのシフト及び広がりとプラズマの温度・密度の関係を明らかにした。 2.プラズマの状態方程式・輸送現象 レーザープラズマは多種イオンの混合体となることがない。二種イオン混合のプラズマの高温・高密度状態の状態方程式が計算機シミュレーション及び解析的手法により明らかになった。 3.X線輻射の素過程 X線の輻射過程への高密度効果を明らかにした。放射・吸収断面積が、イオン-イオン相関及び電子-イオン相関により、孤立イオンに比べ、X線のエネルギー依存性に対し著しく影響を受ける。 4.研究会 3年間の上記研究グループの研究成果の報告のため、昭和60年12月20〜21日研究会を開催した。その時の発表論文は報告書として印刷された。
|