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1985 年度 実績報告書

高圧接合されたセラミック-金属接合体の高温性質評価

研究課題

研究課題/領域番号 60055031
研究機関大阪大学

研究代表者

岡本 平  大阪大学, 産研, 教授 (60029840)

キーワードセラミックス / 接合 / HIP / アコースティック・エミッション / 熱膨張 / 残留応力 / 有限要素法
研究概要

核融合炉に使われるセラミックスの多くは、金属に強固に接合され使用される。この時、両素材の熱膨張差に起因する内部応力は接合材料強度に影響を与える。この内部応力の概略の評価として、有限要素法を用いて窒化ケイ素/鋼接合体を1000℃から冷却した時の応力分布を求めた。その結果、接合界面近くの窒化ケイ素の表面付近に、窒化ケイ素の破断応力を越える引張応力が発生することが判った。実際にHIPにより接合を行うと、計算結果に一致する窒化ケイ素中破壊が認められた。次に、接合材の寸法効果を調べるため、計算により窒化ケイ素を薄くした場合の残留応力を求めた。その結果、窒化ケイ素の厚さは薄い程、残留応力が軽減されることが判った。そこで、窒化ケイ素厚さを0.1〜1mmの間で変化させ鋼とHIPにより接合し、その強度を調べたところ、0.2mm以下の厚さで、約50MPa程度の引張強度が得られた。このことから、高圧接合により、セラミックコーティングの代りとなる強固な接合が可能になると言える。
次に、高温における接合材料中欠陥発生を検出する目的で、窒化ケイ素と3種の鉄系合金(熱膨張率が異なる)の接合を行い、冷却中に発生するアコースティックエミッション(AE)をモニターした。その結果、熱膨張差が大きい窒化ケイ素/SUS405鋼では約500℃で界面剥離が生じ、中程度の窒化ケイ素/Kovarでは、一部の試料は約450℃で界面剥離を生じ、一部は生じず、最も小さい窒化ケイ素/Invarでは界面剥離が生じないことが判った。後2者では、反応層中の割れの発生も検出された。また、残留応力の小さい、窒化ケイ素/Invarはばらつきの少ない高強度接合が可能であるが、残留応力の大きな窒化ケイ素/Kovarでは、強度のばらつきが大きくなる。以上から、温度変化を受ける場合、接合材料から発生するAEをモニターすることにより、欠陥の発生を検出でき、その発生条件等を知ることが可能になると言える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Comm.Am.Ceram.Soc.68-12. (1985)

  • [文献書誌] Am.Ceram.Soc.Bull.69. (1986)

  • [文献書誌] アイオニクス. 92-7. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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