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1985 年度 実績報告書

量子ホール効果と局在:電気伝導における量子効果

研究課題

研究課題/領域番号 60060003
研究機関学習院大学

研究代表者

川路 紳治  学習院大学, 理, 教授 (00080440)

キーワード2次元電子 / 量子ホール効果 / 分数量子ホール効果 / アンダーソン局在
研究概要

1.分数ならびに整数量子ホール効果と局在の測定:(1)GaAs/AlGaAsヘテロ接合界面2次元電子の分数量子ホール効果について、V=1/3状態とV=2/3状態のρxxの温度依存性を、電子移動度ならびに電子濃度の異なる多数の試料について15.5Tまでの磁場と60mKまでの温度で測定し、次の知見を得た。ア.ρxxの温度依存性は2種類の活性化型伝導の和を仮定して記述できる。高温度領域の活性化エネルギー【W_1】が準粒子励起エネルギーに対応する。イ.【W_1】は単純な理論が予想するような磁場のみの関数ではなく、電子移動度にも依存する。ウ.1/3状態の【W_1】は、3次元効果とスピンの異るランダウ準位との混合効果を考慮すると、理論値の60%程度となる。エ.2/3状態の【W_1】は1/3状態の【W_1】の約1/3となり、粒子・正孔対称性を示さない。(2)SiMOS2次元電子のホール抵抗の精密測定をまとめた結果、ρxy=h/【ie^2】に対応するホール抵抗値は、ρxx<(4/i)×【10^(-2)】Ωの条件下で、【10^(-7)】以下の相対精度をもつことが明らかになった。
2.弱磁場下の異常磁気抵抗の測定:(1)高移動度GaAs/AlGaAsヘテロ接合界面2次元電子で垂直磁場成分のみに依存する異常磁気伝導を発見したが、理論的説明はできない。(2)SiMOS2次元電子で磁場方位に依存しない磁気抵抗を発見した。強局在状態解明の手がかりとしたい。
3.電気伝導における量子効果の計算機による研究。(1)強磁場下の2次元電子の不規則ポテンシャル中の【σ_(xx)】と【σ_(xy)】の有限サイズ依存性を数値的に研究し、【σ_(xx)】と【σ_(xy)】とは独立のスケーリング変数ではないことがわかった。(【σ_(xy)】,【σ_(xx)】)の流れ図はランダウ指数に依存する。(2)有限温度でランダウ準位内の局在は非弾性散乱によって破られる。非弾性散乱による準位巾と準位間隔が同程度になるところでカットオフ距離が、【L_ε】=(【τ_ε】/τ)l,l=【√!(h/eB)】,で決定されるとして、【σ_(xx)】と【σ_(xy)】の温度依存性を計算した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] J.Phys.Soc.Jpn.54-10. (1985)

  • [文献書誌] J.Phys.Soc.Jpn.54-12. (1985)

  • [文献書誌] J.Phys.Soc.Jpn.55-4. (1986)

  • [文献書誌] Prog.Theor.Phys.Suppl.84. (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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