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1986 年度 実績報告書

タンパク質合成システムの動的構造と機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 60060004
研究機関東京大学

研究代表者

宮沢 辰雄  東大, 理学部, 教授 (60029931)

研究分担者 横山 茂之  東京大学, 理学部, 助教授 (00159229)
渡辺 公綱  東京大学, 工学部, 助教授 (00134502)
大島 泰郎  東京工業大学, 理学部, 教授 (60167301)
キーワードtRNA / アンチコドン / コドン / 修飾ヌクレオシド / 非天然アミノ酸 / アミノアシルtRNA合成酵素 / ポリペプチド鎖延長因子 / 高度好熱菌
研究概要

(1)高度好熱菌より十数種のtRNAを単離精製し、6種のアミノ酸に特異的なメジャ-tRNAについて、ヌクレオチド配列を決定した。それらのアンチコドン1字目は、いずれも、修飾されていないグアノシンあるいはシチジンであり、大腸菌などの常温生物のtRNAの場合とは、まったく異なっている。すなわち、高度好熱菌のメジャーなtRNAは、アイソアクセプタ-tRNAの中でも、最も安定なコドン・アンチコドン相互作用により、遺伝コードを正しく翻訳することが明らかになった。(2)大腸菌のマイナーなイソロイシンtRNAのアンチコドン1字目に存在する修飾ヌクレオシド【N^+】について、昨年度に推定した化学構造を、化学合成により完全に確定した。また、このマイナーなイソロイシンtRNAの遺伝子を単離することに成功し、【N^+】が遺伝子上では、Cであることを明らかにした。これにより、tRNAの転写後修飾によるコドン認識制御の全く新しいメカニズムを発見した。また、大腸菌について、アルギニンに特異的なtRNAを検索して、新たに、2種類のマイナーなtRNAを見いだした。それらは、それぞれ、コドンCGCを認識するものと、コドンAGA/AGGを認識するものである可能性が高い。また、大腸菌のリシンtRNAのアチコドンループが特殊なコンホメーションをとることを見いだした。(3)大腸菌のイソロイシルtRNA合成酵素(IleRs)を用いて、大腸菌のtRNAに非天然のアミノ酸をチャージすることを試みた。L-イソロイシンのアナログ、2-アミノ-3-エチルペンタン酸などが、実際にtRNAに結合することを見いだした。さらに、それらのアミノアシルtRNAが、ポリペプチド鎖延長因子TuおよびGTPと三重複合体を形成することを明らかにした。したがって、これらの非天然アミノ酸は、タあパク質合成において、ポリペプチド鎖に組み込まれる可能性が高い。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Hara-Yokoyama;S.YoKoyama;T.Watanabe;K.Watanabe;M.Kitazume;Y.Mitamura;T.Morii;S.Takahashi;Y.Kuchino;S.Nishimura;T.Miyazawa: FBBS Lett.202. 149-152 (1986)

  • [文献書誌] M.Hara-Yokoyama;S.Yokoyama;T.Miyazawa: Biochemistry. 25. 7031-7036 (1986)

  • [文献書誌] S.Yokoyama;M.Haruki;M.Hara-Yokoyama;T.Miyazawa: Nucleic Acids Symposium Series. No.17. 199-201 (1986)

  • [文献書誌] H.NaKamura;S.Yokoyama: J.Mol.Graphics. 4. 161-164 (1986)

  • [文献書誌] D.Kohda;S.Yokoyama;T.Miyazawa: J.Biol. Chem.262. 558-563 (1987)

  • [文献書誌] 横山茂之,神田大輔,宮澤辰雄: 日化誌. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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