研究課題/領域番号 |
60065001
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良国立文化財研究所 |
研究代表者 |
田中 琢 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 埋蔵文化財センター長 (40099958)
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研究分担者 |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
上野 邦一 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 遺構調査室長 (70000495)
光谷 拓実 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究官 (90099961)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1989
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キーワード | 年輪年代法 / 年輪気象法 / 年代決定法 |
研究概要 |
1.1985年度から開始した本格的研究では、基礎の部分において所期の目的をを達成した。 2.基礎になる暦年標準パターンの作成作業では、ヒノキのそれは先端が前317年までのびている。このヒノキの暦年標準パターンによって、スギとコウヤマキの暦年標準パターンの作成が可能になった。スギでは1986年から1779年に先端をおく現生木から作成した暦年標準パターンのほかに、1285年から先端が405年までのびる暦年標準パターンができている。さらに、コウヤマキについても741年を起点にして186年までのびる暦年標準パターンがある。さらに、それぞれの暦年標準パターンのさきには、遊離して暦年の決定をまっている標準パターンがある。暦年標準パターンの作成は、この種研究の起点であり、基礎になる。今後もその先端をどこまでも古くへさかのぼらせる努力を継続するであろう。 3.暦年標準パターンを使用した応用研究では、考古学、歴史学、建築史学、美術史学などにくわえて、災害史を含めた多くの研究分野と年輪年代法のあいだで一定の成果をあげうる見通しを得た。さらにまた、年輪気象法に関しても、着実に成果をあげることができた。 4.本研究では、旧石器時代の年輪パターンの照合に成功している。このような例は世界的にごく稀である。これによって、日本においても古年輪学研究の先端が旧石器時代にまで延びる可能性を確認することができた。 5.今回の研究によって、古年輪変動データによる考古歴史研究法は確立したといえよう。
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