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1986 年度 実績報告書

新しい表面原子配列構造観察装置の開発と半導体表面超格子構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 60065003
研究機関東京大学

研究代表者

井野 正三  東大, 理学部, 教授 (70005867)

研究分担者 大門 寛  東京大学, 理学部・物理学教室, 助手 (20126121)
キーワード表面構造 / 反射高速電子回折 / X線分光
研究概要

昭和61年度の研究計画では、「新しい表面原子配列構造観察装置の開発」及び「S;Ge上の表面構造の解明」を行なうことであり、研究はほぼこの目的に沿って進められてきた。前者の装置を作成するには、(1)電子ビーム径が5【A!°】、(2)ビーム電流が7×【10^(-11)】A,(3)ビームの高度の安定化,(4)ビームのドリフトの除去,(5)【10^(-10)】Torrの超高真空,(6)大きな立体角でのX線の検出など多くの困難をともなう。これらのうち(3),(4),(5),(6)は本装置に要求される新しい条件であり、これらを克服するために以前より検討を加えてきたが、本年度に具体的に作成を行なった。上記条件のうち(1)と(2)については、試料を対物レンズの中に挿入する「インレンズ方法」を採用して、試料付近で特にビームを集束させるようにした。(3)については各種の電源の安定化,冷却水の温度制御,電気的及び磁気的シールド,除振対策などを行なった。(5)については装置全体をベーキングできるようにし、(6)については特別なX線の検出器の開発を行なった。更に走査像のデータ処理をしたり画像処理を行なうための「電顕データー処理装置」を購入し、これにより条件(4)も解決の見通となった。これらを組合わせて「表面原子配列構造観察装置」は作成されたが、まだ調整不充分であり、新しいデータが得られるには到っておらず、引続き研究を続行する予定である。
次に「Si,Ge上の表面構造の解明」を目的とした研究では、我々は「新しい原理に基づく粒子線アナライザー」を発明した。これに関する2つの特許の申請を行なうと同時に、この新型アナライザーによる実験のできる「光電子分光用超高真空槽」を購入し、実験中である。さらに従来の装置による研究としては、我々の開発したRHEED-TRAXS法の機構や応用的研究、イオンビーム励起オージェ電子分光によるSi(111),(001)表面の研究などを行ない、多くの新しい成果が得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H,Daimon;S:Nagano;S,Ina;S,Suga;Y,Murata: Act.Rept.Synch.,Red.Lab.ISSP. 45-46 (1985)

  • [文献書誌] S,Hasegawa;H,Daimon;S:Ino: Surface Sience.

  • [文献書誌] Y,Yamanoto;S,Ino;T,Ichikawa: Japan.J.Appl.Phys.25. L331-L334 (1986)

  • [文献書誌] 井野正三: 科学. 56. 30-39 (1986)

  • [文献書誌] 難波秀利,大門寛,村田好正: "表面,微粒子(実験物理学講座14)第2、5章,光電子分光" 共立出版, (1986)

  • [文献書誌] 田丸謙二編,村田好正,井野正三: "表面の科学,理論・実験・触媒化学への応用,第11編 低速電子回折および反射高速電子回折" 学会出版センター, (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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