1. 研究の目的 本研究は最近発展しつつあるデータベース技術を実際に応用し、大量かつ多種類のデータの体系的体制を整え、同時に全国多地域系列モデル、多地域クロスセクション・モデルなどにつき、都道府県レベル、および主要都市レベルで実証分析を図る。最適化モデルについても理論とならんで、パイロットモデルの試算と各種のシミュレーションをおこなうこと 2. 研究実施内容 地域産業連関については、関東一円の都県についての 昭和55年地域間連関表を年間補間法、地域類推法等専門的推測法によるデータ整備を初年度に引き続きおこない、かつ政策科学的分析もおこなってきた。また、分析手法に対応したコンピュータ・プログラムも開発した。 都道府県データについては、国民経済計算の新SNA移行に対応しデータを整備するとともに経済の情報化、サービス化、人口の老齢化など新しい事態に対処しうるデータ体系を整備した。 また、地域分析は面的なひろがりにかかわるものであるため、データの入出力、分析結果の表示にも特殊な工夫をほどこした。さらに、既設の地域空間シミュレータ、グラフィック・レスポンス・アナライザーナどによる分析と地域データのグラフィック表示の拡充をおこなった。 次に、地域間連関表を主要な制約条件としての最適計画モデルの試算としては、17業種(このうち9業種が交通サービス)、10地域、6交通施設についての計画編成モデルとそれの計算アルゴリズムを開発し、各種のシミュレーションをおこなった。機会費用原理を基礎におき「どこにどれだけどの施設のどの区間に」という公共投資の課題が内生的に導出可能であるという点に社会的有意味性を有する。
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