• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1985 年度 実績報告書

機能分子集団の高次組織と機能

研究課題

研究課題/領域番号 60104002
研究機関名古屋大学

研究代表者

田仲 二朗  名古屋大学, 理, 教授 (70022514)

キーワード分子性結晶 / 分子集合体 / 電子供与体 / 電子受容体 / 有機ラジカル / 分子間電荷移動 / 液晶 / Jバンド
研究概要

機能分子集団の研究は、分子が結晶を作ったり、会合体を形成する際に、新たに発現する機能を、分子と結晶の構造に立脚して、解析することを目指してきた。その機能の中で、特に分子間の電子移動相互作用に由来する性質の研究を進めてきたが、そのために新しい電子供与体と電子受容体を合成し、それらの作る結晶の構造解析と、物性の研究を行った。その中には、新しいタイプの結晶構造を示すものも、見出された。分子間の電子移動の程度が大きくなると、結晶は中性に近い構造からイオン的な構造に転移するが、その際におこる光学的、電気的、磁気的性質と、転移をおこすメカニズムについての実験的、理論的研究が行われた。一つの分子でも、電子供与体と受容体の両方の性質を持つ分子があり、その結晶では、電子移動スペクトルが、見出される、このような例は、珍しいことであるが、新たに数例が見つかった。中でもシアニン色素の会合体で見出されるJ.バンドの原因に関し、長い間の未解決の問題であったが、色素分子の窒素原子の間に、特別の電荷移動相互作用がおこる結果として、J バンドが出現していることが確かめられた。次に不対電子を持つラジカルのつくる結晶の磁性について、いろいろのラジカル結晶について研究された。複数の不対電子を持つ有機ラジカル分子が各種合成され、世界的にも最高のスピン多重度を有するラジカル分子が合成された。また複核金属錯体と、多重項有機ラジカル分子について、分子軌道法による理論的研究が行われ、磁性の原因となる不対電子間の相互作用について、解析が行われた。この他に、液晶を作る重要な力として、 分子間電子移動力の解析がなされ、ヨウ素をふくむ分子錯体の構造研究が、メスバウアー効果を用いて行われた。また強誘電性分子結晶の構造相転移や、励起子発光を示す分子結晶のエネルギー緩和機構の研究がなされた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Bulletin of Chemical Society of Japan. 59-3. (1986)

  • [文献書誌] Acta Crgstallographicca. 42B-1. (1986)

  • [文献書誌] J Am.Chem.Soc.107. 1786 (1985)

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi