研究概要 |
本年は、DNAの染色体への組みこみと転移に関してその分子機構を明らかにする一方、その制御に関する新しい知見を得ることを目的とした。特に組みこみ及び転移に関するDNAの分子機構、反応に関する未知の酵素系、反応を制御する諸因子、組みこまれた遺伝子の発現及びその制御、動物と諸細胞へのDNAの導入技術などを培養動物細胞(マウス細胞)染色体及びプラスミド,レトロウイルス,動物個体(カイコ),酵母,バクテリア(大腸菌)において研究した。 個々の研究の成果に関しては、トランスポゾンの転移機構の多様性とその分子的基礎が明らかになり、ヌレトロウイルスの組みこみ及び転移に関しての同様な結果が得られた。新しい動物プラスミドの発見も本研究の成果の1つである。他には動物細胞におけるhomologous recombinationの機構、カイコにおける組みかえDNAによるインターフェロンの産生、バクテリアにおける染色体の分配、保持機構に関してユニークな成果が得られた。
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