超高周波音波と光や電子との相互作用を強磁場や高圧を用いて調べ、電子-フォノン相互作用や相転移、臨界現象の解明、薄膜、微粒子や表面波の研究と応用について研究する。1.浜口らは強磁場サブセンターを完成し、磁気フォノン共鳴の測定から【III】-【V】化合物半導体の有効質量の決定と混晶における2モードフォノンの存在を見出した。2.サブセンターの共同利用による2次元電子の磁気フォノン共鳴の観測に成功した。3.達崎らは【NG_4】Clと【NH_4】Br結晶中を伝わる弾性波の非調和効果を調べ、相転移に伴う結晶系の変化の差異との関連が顕著であることを見出し、ブリルアン散乱実験では【NH_4】Clの三次弾性定数の温度変化が超音波測定の結果と全く異なることを見出した。4.池田らは1kbarまでのKDPのブリルアン散乱に成功し、気圧掃引とピエゾ掃引のファブリーペロの組み合せによるタンデムシステムを完成した。5.間瀬らは1GHzまでの連続波超音波の音速・減衰同時測定装置を完成し、酸化物超伝導体Ba【Pb_(1-x)】Bix【O_3】薄板に適用し、結晶構造の局所的不安定性探索に大変有効であることを示した。6.山本らはGe微粒子の格子振動をラマン分光法によって調べ、粒子サイズが70Aをきるとアモルファス様のスペクトルを示すこと及び融解音度が単結晶の場合の半分以下であることを明らかにした。更に粘性流活性化エネルギーの存在も明らかにした。7.福井らは(1)溶融石英の光学フォノン周波数および光学定数の測定、(2)トランスデューサPAS法、光熱変位分光法、光熱放射法による表面ポラリトン特定の測定、(3)Cuの酸化機構と光学定数の測定などに成功した。 これらの成果は昭和60年10月5日に行われた第5班主催の研究会、昭和61年2月5日〜7日に行われた全体シンポジウムおよび公開シンポジウムで報告された。
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