研究概要 |
1.分散系構成における構造制御と機能性制御(矢野):構造制御の1つのポイントである気泡成長臨界半径に理論的検討を加え、実験結果と比較するとともに、気-液分散系の安定性についても液流動の観点から検討を加えた。2.加熱押出加工法による食品素材の品質変換(國府田):根系茎植物の栄養価に対する同加工法の効果につき検討し、キャッサバの場合に含有青酸の除去およびネズミの体重増加促進に効果のある事を示した。3.超臨界流体を用いる機能性物質の分離分画(小林):超臨界二酸化炭素による食品中の特定成分の選択的分離につき検討し、食品の低コレステロール化、高蛋白チーズの調製、辛味を損わない辛子種子の脱脂等への利用可能性を示した。4.酵素を用いる蛋白質の機能変換(栃倉):麹菌グルタミナーゼのγ-GTP活性がSer,Val等のアミノ酸をγ-Glu受容体としても発現する事を見出し、また軟ゲル菌蓋培養法により同酵素の分泌性画分が菌体内に保持される事を示した。5.酵素を用いる糖質の機能変換(児玉):ルチン資化性菌よりルチン加水分解酵素の部分精製に成功するとともに、ブドウおよびリンゴ培養細胞を用いたケルセチンの配糖化により数種の配糖体の生成を確認した。6.微生物による糖質のサイクリックグルカンへの変換とその応用(田口):A.radiobacterよりサイクリックグルカン(Cg)合成酵素を精製して酵素学的検討を行うとともに、Cgがピリドキサールりん酸の光分解に顕著な保護効果を持つ事を示した。7.有用微生物を用いる食品素材の品質変換(高尾):キャベツ汁液中における乳酸菌飲料としての生菌数維持のための条件につき検討し、栄養・風味の面からも飲料ベースとなり得る事が示唆された。8.澱粉およびその類縁物質の構造と機能の改変(桧作):イソアミラーゼによる澱粉の単位鎖化物に熱可逆性ゲル形成能を見出すとともに、同酵素の分岐サイクロデキストリン合成活性につき検討を行った。
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