日本の基礎科学研究を推進させるためには、誰が、どこで、何の研究をしているかという、研究者、研究の現状を調べ、それを基本データとして蓄積しておくことがまず第一に必要である。また、それらの研究者の業績が世界でどのように評価されているかを調べ、世界中で行われている様々な研究の流れの中において、日本で行われている研究の位置づけを知り、それらの資料等を基に分析を行い、その結果を基礎資料としていろいろな施策を計画し、実行していく必要がある。 そのためには、日本の研究者の研究についていろいろな情報を収集し、分析や必要に応じて加工等を加え、データベース化し、必要な情報を自由に検索することが可能で、自分の行っている研究に用いることができるシステムを構築することがまず必要である。 本研究は次のデータを基本データとして用いた。 【◯!1】文部省学術国際局研究助成課が全国の大学や短大、高専、及び文部大臣が承認した科学研究費補助金申請認可団体を対象に調査した「大学関係研究者基本データ」。 【◯!2】科学研究費補助金を申請した研究者を対象とする「科学研究費補助金申請状況」、「同受領状況」。 まず、昨年度に更新された「大学関係研究者基本ファイル」の内容を今年度の調査を基に更新して、最新を基本ファイルを作成した。そのファイルの内容に、昭和60年度の申請状況データ、受領状況データを付け加えて、「科学研究費補助金の交付による、現在進行中の研究テーマ、研究者ファイル」作成した。それらファイル内容を基にし諸統計表を作成、文部省の科学政策立案の参考資料として提供した。 その他、日本と諸外国との研究状況と成果の比較を行うために、Citation Index Dataを利用した分析方法を確立するためのシステム開発、科学政策立案のためのサポート・システムの開発を行った。
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