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我々はVortex Cooler型の超流動He【II】断熱流を100cm/秒に及ぶ高速流領域まで研究を行い、断熱流の振舞を超流動2流体力学を用いて如何に理解できるかということを明らかにしようと努めて来た。この目的のため、流路に沿っての温度分布、圧力差を精密に測定し また、質量流が存在する時の熱伝導係数を測定した。これらの実験データを基盤として、特に流路に沿っての温度分布を再現し得る方法を模索した。その結果、超流動成分と常流動成分との相互摩擦力Fsnとして、従来熱対向流等において認められているGorte-Mellink型のものを用いては、温度分布の再現は不可能であることを示し、新しく、超流動成分の速度Vsと常流動成分の速度Vnの差つまり相対速度1Vs-Vn1の1次に比例するFsnを仮定すれば 温度分布を見事に再現し得ることを見出した。このことは流路内において 渦系の密度が一定であることを意味する。我々は これまで理解することができなかった断熱流の振舞を記述する方法を見出したわけで、新しい型のFsnに対する理論的考察は今後の課題である。上記Vortex Cooler型断熱流に【^3He】不純物を加え【^3He】核のNMRを利用して【^3He】の流速及び速度分布を求める準備が整った。更にCW-NMRを用いてchamber内の【^3He】濃度を連続的に観測できるようにした。購入した2位相ロックインは流路に沿っての温度分布の計測に用いられ、シンセサイザーは CW-NMRに用いられている。 【^3He】-【^4He】混合液を0.1mk以下に冷却する手段として、希釈冷却法を試みるべく準備を進めている。また もうひとつの可能性として、hf増強核スピン系Tm【VO_4】を用いる試みをも進めている。購入したコンダクタンスブリッジは この系の温度計測に用いられている。
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