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1985 年度 実績報告書

超音波による高速変形下の転位の挙動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 60212019
研究機関法政大学

研究代表者

塩入 淳平  法政大学, 工, 教授 (80010700)

キーワード超音波 / 転位 / 高速変形
研究概要

金属材料の塑性変形抵抗の歪速度依存性は、歪速度【10^3】〜【10^4】/秒付近で大きく変わると云う実験報告が多く、転位の運動の律速機構が低速側の熱活性過程からフォノン粘性抵抗に移行するためとされている。しかし、このような解釈を疑問視する研究者も多い。問題点は、歪速度【10^4】/秒付近から応力-歪関係の測定の信頼性に問題が出てくること、フォノン粘性抵抗は温度が高くなると大きくなるが、測定された変形抵抗にはそのような温度依存性が見られないことなどである。
本研究では、このような諸問題に答えるため、高速で塑性変形しつつある試験片中の超音波の減衰および伝播速度を時間分解的に測定し、この結果を解析して高速変形時の転位に関する実験的知見を得ることを試みて来た。昨年度にはまず面心立方金属を対象とし、高純度多結晶アルミニウムに対して測定を行ない、運動転位および林転位の密度の歪速度および温度依存性を調べた。本年度はこれら超音波測定により得られた知見をもとに、構成式の導出を行なった。この過程において、始めに述べた変形抵抗の歪速度依存性の急変が転位の律速機構の遷移によるものであることが明らかにされ、この歪速度領域を含む広い歪速度範囲および広い温度範囲に適用しうる構成式が得られた。この式は変形抵抗の直接測定値とよい一致を示す。
次に、超音波測定によりさらに多くの知見を得るために、超音波の周波数をこれまでの10MHz近傍から200MHzまで拡げることを目的に、ヘテロダイン方式の広帯域超音波裝置の試作を行ない、所期の性能を得た。また、一般に体心立方金属に対する測定では、高速変形を与える際に大きな衝撃力が必要で、これにより試験片内に生ずる衝撃性雑音が測定を妨害するため、超音波測定裝置には高い信号分解能が要求されるが、試作したヘテロダイン方式の裝置はこの面でも優れた性能を示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] JOURNAL DE PHYSIQUE. C-5. (1985)

  • [文献書誌] 文部省特定研究公開シンポジウム論文集. (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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