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1985 年度 実績報告書

Nb-Si系薄膜の抵抗異常の再現性向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60213010
研究機関鹿児島大学

研究代表者

大串 哲弥  鹿児島大学, 工, 教授 (10041568)

キーワード超伝導 / 抵抗異常 / Nb-Si / 薄膜
研究概要

Nb-Si薄膜にみられる抵抗異常が超伝導現象と非常に類似している事を筆者等はみいだした。その抵抗値が【10^3】程度変化する温度は200K前后である。しかしその再現性は非常に悪く2〜3%にすぎない。当科学研究費はその再現性の向上に用いられた。その結果、その再現性は60%程度まで向上し、組識的に本現象の研究が行なえるまでになった。再現性向上の手段として用いられた方法は、1)スパッた製膜時に【10^(-5)】トール程度の酸素ガスをアルゴンガスに混入して、スパッタを行う。2)サファイア基板を傾斜する事によって、膜面に衝突するイオン、エネルギーを減少する。3)膜面内でNbとSiの組成比を変化させて結晶の安定化を行なった。 又抵抗異常の特性として1)抵抗異常は殆んどのサンプルに就いて液体窒素温度以上で起る。2)抵抗転移は冷却時と加熱時で、温度に対するヒステリシスが存在する。3)エレクトロン,プローブ,マイクロアナライザー等によるX線の照射后時性が大きく変る事が多い。4)熱サイクルによって特性が変化する。等である。
X線光電子分光(X.P.S.)による、膜成分の組成分折の結果次のようなことが判った。1) 表面から250Åの深さまでは、酸化物として【Nb_2】【O_5】,Nb【O_2】 NbOが存在する。2)基板からのAlの折出が存在し、その量は10At%に及ぶ、これはかなりの量が【Al_2】【O_3】の形で存在し、膜表面から基板境界まで大体一様である。一部純Alとしても存在する。SiはSi【O_2】及び【Si_3】【N_4】の形で膜表面から、基板と膜の境界に恒って存在する。その窒素は導入酸素中に含まれていたものかどうか現在、検討中である。
酸素の量は40〜50At%の量が膜全体にわたって含まれている。結果的には純Nb及びAlとその酸化物(絶縁体又は半導体)及びSi及びその酸化物及び窒化物が混在したものとなって居る。 現在マイスナー効果の檢出を試みている段階であり、Allender,Bray and Bardeenによって示されたエキシトニック超伝導体との関連について研究を進めうる段階となった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 九州大学超伝導マグネトセンター技術報告. 第2巻. (1985)

  • [文献書誌] 固体物理. 20巻.NO.3. (1985)

  • [文献書誌] Journal of Applied Physics Letter. (1986)

  • [文献書誌] 鹿児島大学.工学研究報告. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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