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1985 年度 実績報告書

食物の視覚および味覚性認知の神経機構

研究課題

研究課題/領域番号 60216010
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

小野 武年  富山医科薬科大学, 医, 教授 (50019577)

キーワードサル / 視床下部外側野 / 単一ニューロン活動 / 摂食行動 / 視覚性認知 / 味覚性認知 / 学習 / 食物
研究概要

最近サルでは、前頭葉・辺縁系・視床下部系、とくに視床下部外側野(LHA)が、食物と非食物の視覚性識別に重要であることが明らかにされている。本研究では、LHAによる食物の視覚および味覚性認知の高次統合機構を明らかにする目的で、レバー押し摂食行動下サルのLHAから単一ニューロン活動を記録し、好きな食物、嫌悪食物およびジュースや食塩水を意味する手掛かり物体呈示に対する視覚性応答およびその空腹度合による変化を調べた。
空腹状態のサルを、レバーとマジックミラーの付いたパネルの前に置き、パネル後方の回転台上のランプが点燈すると、マジックミラーを通して回転台上の物体を見ることができるようにすると、回転台上の物体が食物のときだけ、レバー押し摂食行動を行い、非食物の場合は、レバー押しを行なわなかった。この方法により、摂食行動を視覚期、レバー押し期、摂食期の3期にわけることができた。
総数669個のLHAニューロン中158個が、レバー押し摂食行動に対して何らかの応答を示した(106個,視覚期;51個,レバー押し期;90個,摂食期)。視覚期応答ニューロンの41%は食物を見たときに応答し、非食物を見たときには有意の応答を示さなかった。これらLHAニューロンの視覚応答性には強い可塑性があった。すなわち、食物の識別に関連したニューロンは食物を獲得できないようにしたり、報酬(ジュース)を意味する手掛かり呈示物体の意味を嫌悪性の食塩水にかえると、食物や物体を呈示しても応答しなくなり、レバー押しも停止した。また食物に対する応答は、食物の種類には無関係で、空腹時ほど応答は大であり、満腹に近づくにつれて減弱した。さらに食物への視覚性応答の大小と、レバー押し潜時との間には強い負の相関があった。これらの結果は、LHAニューロンが食物の視覚および味覚性認知の高次統合機構に関与することを示唆する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Behav.Brain Res.15. (1985)

  • [文献書誌] Brain Research. 334. (1985)

  • [文献書誌] Brain Research. 334. (1985)Brain Research.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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