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1985 年度 実績報告書

化学発癌過程において活性化する遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 60218006
研究機関東京大学

研究代表者

村松 正実  東京大学, 医, 教授 (10035454)

キーワード化学発癌 / GST-P / cDNAクローン / 遺伝子クローン
研究概要

目的、新しい発癌に関与する遺伝子又は、発癌によって特異的に活性化される遺伝子を単離し、それらの機能や発現調節機構を調べる。
研究成果、われわれ既に、O′Farrell2次元電気泳動法によって過形成結節および肝癌において特異的に出現する蛋白質を数個見い出し、その中の1ツp26-6.9(分子量×【10^(-3)】-等電点)が胎盤型クルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST-P)である事を証明した。この酵素遺伝子の構造及び発現制御材構を知る目的で、cDNAクローニング及び遺伝子クローニングを行った。 既に決定したアミノ末端のアミノ酸配列を基にして合成したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、ラット肝癌mRNAのcDNAライブラリーをスクリーンレcDNAクローンを得た。 塩基配列決定の結果、全長734塩基で630塩基のオープンリーディングフレームを持ち、推定されるアミノ酸配列は209アミノ酸の蛋白質をコードしていた。計算分子量は23,307ダルトンであった。既に報告されている肝型GSTのYa,Ybサブユニットのアミノ酸配列とは、約30%の相同性を持っていた。 このcDNAをプローブとして、各種肝癌や正常臓器でのGST-Pの発現を調べた結果、化学発癌剤で誘発した過形成結節や肝癌の他モリス肝癌でも発現を認めたがAHBOではほとんど発現されていない。正常臓器では、睾丸,肺,腎,胎盤で発現されており、肝や胎児では検出出来ない。 cDNAをプローブとして遺伝子クローンも単離し塩基配列を決定した。この遺伝子は約2.5Kbの中に7つのエクソンに分れた遺伝子で5′非転写領域にはTATA boxやGC boxなど転写調節に関与すると思われる塩基配列が見出された。 偏遺伝子も少なくとも5ツ以上存在し、これ等はイントロンを持たないプロセス型のものであった。 現在、この遺伝子の肝癌特異的発現に関与する塩基配列の同程、調節蛋白質の同程、さらにヒトのGST-P遺伝子クローンの単離を試みている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Cancer Res.45. (1985)

  • [文献書誌] Nucleic Acids Res.13. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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