研究課題/領域番号 |
60300017
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
櫛田 孝司 阪大, 理学部, 教授 (00013516)
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研究分担者 |
北川 禎三 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (40029955)
徳永 史生 東北大学, 理学部, 助教授 (80025452)
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (30089883)
大西 俊一 京都大学, 理学部, 教授 (00025272)
稲場 文男 東北大学, 通研, 教授 (90006213)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | レーザー分光 / 生体分光 / ヘマトポルフィリン誘導体 |
研究概要 |
レーザー分光法は、無接触で非破壊的であり、系に与える影響も少ないので、生きて機能する状態にある生体を直接に対象とすることができるばかりでなく、豊富な情報が実時間で得られる、極めて高感度であり時間分解能や空間分解能も高いなど、生体を対象とする際に大変に望ましい数々の優れた特徴を備えている。しかし、生体系のレーザー分光はまだまだ末開拓の分野であり、研究者のまとまりもない。そこで本研究では、レーザー物理や物性物理から生物物理や医学にわたる色々の分野の研究者が参加して一つのチームを作り、総合的な研究を行うことによりこの分野の研究を強力に押し進めることを目的とした。 まず、研究者間の連絡を密にし、広く研究討論を行う目的で、4回の研究会を昭和60年7月,61年1月,11月および62年1月に催し、「レーザー分光による癌の基礎研究」(黒田)、「核酸塩基のピコ秒時間分解発光分光」(山下)など、計45件の講演をもとに活発な討論を行った。特に62年1月の研究会では生体系に取り込まれたヘマトポルフィリン誘導体のレーザー分光の現状と問題点に焦点を絞って討論を行い、大変に有意義であった。 なお、各研究分担者がその役割分担に応じて行った研究の成果は、研究成果報告書に詳しく述べられているが、顕著な成果のいくつかをあげれば、生体細胞内に取り込まれた制ガン剤のレーザー光励起超高感度蛍光分布測定(稲場)、レーザー励起生体差分蛍光分光システムの開発とその癌診断への応用の検討(丹野)、パルスレーザー蛍光顕微鏡の開発とそれを用いた細胞膜電位の瞬間測定(木下)、細胞膜の動的構造の研究を目指した時間分解顕微蛍光光度計の開発(大西)、レーザー蛍光顕微鏡を用いたアクチン・ミオシン分子の運動の直接観測(柳田)、細胞内の直径0.8μmの微小領域のピコ秒分光(櫛田)などがある。
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