研究分担者 |
北島 貞吉 九州大学, 工学部, 教授 (10037690)
渡辺 伝次郎 東北大学, 理学部, 教授 (50004239)
井村 徹 名古屋大学, 工学部, 教授 (50022968)
藤本 文範 東京大学, 教養学部, 教授 (70012242)
裏 克己 大阪大学, 工学部, 教授 (10028938)
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研究概要 |
1963〜1965年に我が国で開発され、発展してきた高電圧電子顕微鏡(以下HVEM)学は、その後の幾度かの総合研究のお陰で現在に至るも世界の先端を歩んでおり、この手法の画期的効用は自然科学の研究に必須の手段となっている。今回の総合研究においては、特にHVEMの最大の効用といわれるその場実験については、質量ともに外国の追随を許さず(藤田,井村,渡辺,竹内)、HV・STEMの実用化(丸勢)とか5MV・HVEMの設計(裏、藤田)など、新しい型のHVEMについても世界をリードしている。さらにHVEMの高分解能撮影(平林,志水,美浜,八木,石田,清水,植田)においても新しい研究成果が次々と報告され、諸外国でHVEMの性能面からこの方面の研究が300〜400KV電顕で代用されている現状に比して、電子線のチャンネリニグ現象(藤本)を利用するHVEMによる高分解能観察は我が国の得意とする分野である。また電子線照射損傷(井形,高橋,北島)の系統的な研究についても精度のよい研究が発表されたのと同時に、新しく高エネルギー電子線を用いた新素材の開発(藤田)も発表され、HVEMの新しい応用分野として注目されている。また、従来ともすると外国に遅れをとっていた分析関係についても、種々のこの新しい試み(市ノ川,神谷,裏,藤田)が発表され、この方面でも新しい分野が開拓されつつある。医学方面の応用(浜)についても、組織の3次元観察を中心とした研究は不動の地位を築きつつある。 これらの成果の一部は、1985年11月に開催されたHVEMのその場実験に関する国際会議(大阪)および1986年9月にICEMと同時開催の第8回国際HVEM学会議において総合研究のメンバーより各々発表され、世界の注目を浴びている。
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