研究分担者 |
松丸 和夫 中央大学, 経済学部, 専任講師 (40146999)
大須 眞治 中央大学, 経済学部, 助教授 (20055221)
栗原 源太 中央大学, 経済学部, 教授 (70096105)
豊田 尚 中央大学, 経済学部, 教授 (70054947)
島崎 晴哉 中央大学, 経済学部, 教授 (50054995)
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研究概要 |
1.昭和60〜62年にわたる研究期間を通じて, 日本および欧米における貧困・生活問題についての夥しい量と多岐にわたる社会調査の生成および発展について, ほぼ見通しがつくところまできたように思われる. その現在の研究地点で考えられることは, 本研究がめざしたような社会調査史と類似の研究はこれまでいくつかあり, またすぐれたものもあるが, ひとつはその扱う視野が狭かったのではないかということ, さらに社会調査史としながら, それによって明らかにされた諸事実を貫く理論や法則の方に研究がすぐに入りこみ, 調査そのものに即した研究が不足であるのではないかと思われた. 本研究では分野をひろげ, 労働そして産業, 更に農村生活などの面にまで視野をひろげた. なお本研究では千数百点の日本の社会調査を蒐集, 分類, 整理したが, 在来のこの種のリストの訂正や補足を数多くおこなうことができた. 2.明治以来の日本の社会調査の流れを整理する中で, これを戦後を含めて五つに時期区分して考えることができるという一応の結論を得ているが, 大まかにいって, その生成, 発展, 衰退, 再生の経過は, いわゆる民主主義民主的社会の発展とイコールに, あるいは平行的に結びついていることがよくわかってきた. この点で, 日本の社会調査よりも外国のそれが一歩先んじ, すぐれた成果を得てきたことも, 同根の理由によることがわかってきた. 本研究を通じ, 日本の社会調査の状況が, 飛躍的に高揚することが, 今後の願いとして, 全参加者の一致したものとして出てきた. 3.社会調査は, 社会科学の理論の発展のためのものとしてひとつのジャンルをなす重要なものであるが, たんにそれはそのためのものであるだけでなく, 社会政策, その他の政策の発展と深く, そして複雑にかかわることが明らかになった.
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