研究課題/領域番号 |
60300027
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山田 圭一 筑大, 社会工学系, 教授 (50016333)
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研究分担者 |
小林 信一 東京工業大学, 工学部, 助手 (90186742)
塚原 修一 国立教育研究所, 第二研究部, 研究員 (00155334)
丹羽 冨士雄 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (70091915)
矢野 真和 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30016521)
平沢 りょう 東京大学, 教養学部, 助教授 (00012401)
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キーワード | 科学技術政策 / 専門分野形成 / 研究者 / 研究組織 / 研究開発 |
研究概要 |
今年度は、昨年度に実施した民間企業等の研究活動に関するアンケート調査の分析を中心に、既存データに基づく学際的専門分野の研究組織に関する分析、科学技術政策学の成立過程に関する資料収集、およびこれらに関連する資料・情報を収集するためのヒアリング調査を実施した。今年度の研究から明らかになった知見、とくに従来にない新たな知見は以下の通りである。 1.終身雇用制度を基盤とする我が国の産業界にあっても、研究関発の分野では、最近は特殊な条件のもとでは、中途採用に積極的であること。 2.研究者・技術者の養成のミスマッチングには、大学側の組織の硬直性の他にも、新卒労働市場の問題、企業側の採用・育成方法の問題なども構造的な影響を与えていること。 3.研究所設立ブームに陰りがみえるという一部の説にも拘らず、企業は柔軟に研究組織の改革を推進し続けていること。とくに、新規分野への進出意欲は旺盛であり、これらの組織改革においては、研究者の中途採用や転出などの研究者の流動性がみられること。 4.従来はみられなかった海外との連携の新しい形態が広まりつつあること。たとえば、インダストリアル・リエゾン・プログラムやリサーチ・コンソーシアムなどへの参加は、従来の統計などには現われてこなかったが、1割くらいの企業にこのような連携形態の実績がみられることがわかった。 5.民間企業のあいだに研究管理や科学技術政策などのリサーチ・オン・リサーチに対する関心が高まっていること。 6.学際的専門分野における学会組織のあり方を分析したところ、学際的分野といっても学会組織の形成のしかたは一様でないことがわかった。今後は、来年度の取りまとめにむけて、各種の分析結果を整理し、総合的な分析を進める予定である。
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