研究課題/領域番号 |
60301007
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 一美 東大, 文学部, 助教授 (60065480)
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研究分担者 |
礒山 雅 国立音楽大学, 助教授 (00118895)
西村 清和 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (50108114)
戸澤 義夫 群馬県立女子大学, 助教授 (50011383)
増渕 宗一 日本女子大学, 文学部, 教授 (70060663)
佐々木 健一 東京大学, 文学部, 助教授 (80011328)
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キーワード | ポイエーシス / 能動性 / 受動性 / 創造性 / 原因性 / 展望 / 目的因 |
研究概要 |
本年度の研究は、一方では、各々の研究分野における主題の一層の深化と資料の収集を続行することを目的としつつ、他方ではできる限り多様な方向性を持った研究発表を重ねて色々な角度よりの討議を加えつつ、ポイエーシスのもつ原理的な問題と展望の深化をめざした。例えば、西村はとりわけ技術面の哲学的再評価を試みて「手」を主題とし、或いは久保はどちらかと言えば研究の主流になかった快の問題の本質的な意義を歴史的に見定めようとしたし、また庄野は通常は受動的にしか考えられていない聴取(享受)体験の創造的意味を探ろうとしたし、その逆に松尾は伝統的にアリストテレスの経験概念を吟味することによってポイエーシスの問題を原理的に捉え直そうとした。このようにポイエーシスの問題は原因論的に、或いは目的論的に、また作用論の文脈において、或いは能動性の新たな側面を見出す点において予想外の展開を見た。これを基にして更に総合の実を挙げてゆきたい。
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