研究分担者 |
原田 純治 長崎大学, 教育学部, 講師
田崎 敏昭 佐賀大学, 教育学部, 教授
白樫 三四郎 鳴門教育大学, 教授
佐藤 静一 熊本大学, 教育学部, 教授
古川 久敬 九州大学, 教育学部, 助教授 (30190143)
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研究概要 |
本年度の成果は高度技術化がもたらす人間への影響につき(1)職場での現場調査(2)調査の結果を検証する実験室的研究(3)高度技術化が子供たちが行動・心理に与える影響についての調査と実験室的研究に分けられる。以下紙面の都合で分担者の成果と総合し成果の一部を記す。咋年度の予備調査の結果を踏まえて新たな内容で企業作業者を対象とした調査を行った。そこでハイテク作業の従事者とその対照群として従来からの職務に従事している人びとにつき同様の調査を行った。その結果(の一部)ストレスは、従来職とハイテク職との比較、若年者と中高年者との比較において、イライラ感,仕事に追われている、技術革新について行けない、孤独感などは中高年者で有意に高く、誰とも話したくない、会社を休みたい、などは若年者に多かった。次いで高度技術の心理学的な影響のメカニズムを探索するため、システムエンジニア,プログラマーなどの面接から、ハイテク職務の特性が作業の高速性,作業成果の即時的フィールドバック,作業のデジタル性などにあることを見出だした。そこで従来指摘されているハイテク業務従事者の「主観的時間知覚の短縮化」について実験的検証を行った結果、要求目標の明瞭度,即時的フィードバックが強い条件で主観的時間知覚の短縮が顕著に見出だされた。一方ハイテクが子供たちの心理,行動に与えるの影響について、ファミコン遊びに着目し、ファミコン遊びの多い群と少ない群との比較調査の結果、多い群では暴力的傾向,孤立感,非現実性,支配感,機械優越感,時間知覚のズレが大きいことなどが見出だされ、さらに実験室的実験により、ファミコン群と従来遊び群とを比較した結果、作業後の疲労感,ボンヤリする,イライラする、などがファミコン群で多く、休憩中の会話の量はファミコン群で少なかった。現在これらの現象をもたらすメカニズムをさらに深く探究する調査,実験を計画・実施中である。
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