研究課題/領域番号 |
60301025
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
野村 哲也 阪府大, 社会福祉学部, 教授 (60071205)
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研究分担者 |
菰渕 緑 大阪府立大学, 社会福祉学部, 講師 (20071219)
光吉 利之 奈良女子大学, 文学部, 教授 (80031706)
長谷川 昭彦 明治大学, 農学部, 教授 (70061778)
土田 英雄 大阪教育大学, 教授 (00030221)
上子 武次 甲南女子大学, 文学部, 教授 (50046637)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 家事分担 / 性別役割 / 家事決定 / 勢力関係 / コンパニオンシップ / 性生活 / 情緒関係 / 結婚満足度 |
研究概要 |
本研究の軸となるフィールドリサーチは、大阪市阿倍野区、愛知県幸田町山梨県中富町において質問紙法による調査を行い、阿倍野区妻878人、夫392人、幸田町妻304人の有効回答を得た。これに対し第1次の統計分析として、属性要因等によるクロス分析、都市一農村比較、夫-妻の対照比較を行った。なお中富町については回収数が少なかったため統計分析には加えず、事例分析研究において扱うこととした。主要な知見は以下の通りである。 l.夫婦の家事分担:伝統的性別分業の形態がかなり強く残っており、この傾向は農村部においてより強い。しかし、夫の家事参加についての妻の期待はかなり高く、実態と規範(役割期待)とのズレの大きいことが1つの特徴である。しかし、年令別に見た規範意識の差は余り大きくない。時代効果(pe-riod effect)が強く作用するためと考えられる。 2.家事決定の実態と規範についても、家事分担の場合と同じ傾向が見られるが、それが不満・対立としてあらわれることは少い。夫婦における男女平等は、いまだ強い規範拘束性をもったものとなっていないと考えられる。 3.余暇における夫婦同伴度:外食等、日常生活レベルでは或程度同伴行動が見られるが、旅行、観劇などは極めて少い。休暇旅行や社交における同伴性が重視される殴米と著しく異なる点である。なお、余暇活動での夫婦同伴は、夫の方が妻より強く望んでおり俗説的な妻の不満とは逆である。 4.夫婦のコミュニケーションと相互理解:「妻の気持を理解してくれない」というのが妻の不満の中で最も大きなものであった。これは、妻にくらべて夫からの話しかけが少いというコミュニケーションの偏りとも関係があると考えられるが断定的なことは言えない。全般的にも言えることであるが、不満がありながら対立・争いに至ることは少い。両性平等意識が未だ低いためとも考えられる。さらに究明を続けたい。
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