研究課題/領域番号 |
60301043
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
船曳 建夫 東大, 教養部, 助教授 (90165457)
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研究分担者 |
富沢 寿勇 東京大学, 教養学部, 助手 (70180164)
山下 晋司 広島大学, 総合科学部, 助教授 (60117728)
田村 克己 金沢大学, 文学部, 助教授 (40094156)
須藤 健一 国立民族学博物館, 第4研究部, 助教授 (10110082)
大林 太良 東京大学, 教養学部, 教授 (20012263)
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キーワード | 東南アジア / オセアニア / 文化基層 / 伝統文化 / 国家の意匠 / 集団編成原理 / 儀礼 / 社会変化 |
研究概要 |
第2年度に入った今年度の研究内容は下記の通りである。1.今年度では特に、東南アジア、オセアニア地域における伝統文化、あるいは、文化基層の現代的位相という、当研究計画の当初に設定された本来のテーマに絞り込んだ、より定性的な研究が着実に進展した。2.研究上の基礎資料として、前年度にひきつづき、東南アジア、オセアニア関係の民族誌資料の一層の充実が図られた。とりわけニューギニア、メラネシア関係の資料は確実に蓄積しつつあり、研究分担者の利用に益するところが大であると期待される。特に『パシフィック・リンギスティックス』をまとめて入手することが出来たのは大きい。3.今年度は、当初の計画通り、4回の研究会を実施できたのみならず、更に、合宿形式の研究討議も追加して行なわれる充実したものとなった。これら計5回の研究討議では、各研究分担者のフィールドワークに主として依拠した独自の研究成果の披露と討議、情報交換が行なわれた。これらの研究発表の中には、たとえばフィリピンのアキノ政権樹立の背後にある文化基層や集団編成原理についての分析や、インドネシアの儀礼や宗教の動的側面、あるいはミクロネシアの社会変化など、現代的諸問題と密接に関わる重要な報告も少なからず含まれていたのは意義深い。4).今年度は最終年度である62年度への移行期であることも考え、第4回の研究会において、これまでの研究討議の総括と、今後の全体計画についての討議が行なわれた。この討議の過程から、本研究組織の活動成果が、たとえば「国家の意匠」といった鍵概念を軸に今後、展開させ、収斂させていくことができるのではないか、という重要な指摘もなされ、62年度の研究活動の指針も確認されて、地歩が固まりつつある。
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