研究概要 |
1.研究会 現在も中世的芸能と頭役制により運営、実施されている福井県三方郡の宇波西神社の4月の神事を見学、調査し、神事をビディオにおさめた。この宇波西神事のビディオは研究分担者全員の頭役制への理解を深めるのに有効であった。また京都府相楽郡棚倉の和伎坐天乃夫支売神社の居籠神事のビディオを購入し、宇波西神事と同様、全員の理解を深めた。研究会は山口,京都,東京で実施し、宇波西神事についての討論及び仲村,藤井から近江今堀日吉神社及び備後三河内八幡宮の頭役及び宮座についての研究成果が発表された。 2.史料蒐集及び整理 前年度に続き、肥後和男の宮座資料を複写し、京都府分を各研究分担者に配布した。頭役制関係の史料として、宇波西神社関係文書(8リール分),鰐渕寺文書(1リール分),猿投神社文書(1リール),京都上賀茂社日次記(40リール分)等を、共通の研究資料として整備した。なかでも京都上賀茂社の近世初頭から元禄期の日次記は、これまで部分的利用はされてきたが、全体として利用可能となったことの意義は、単に頭役制の研究のみに止まるものではない。 3.論文目録その他 前年度から準備した頭役制関係論文目録稿が完成、本年度末に刊行される。なお、頭役帳をはじめとする関係史料と市町村史類での宮座、頭役制の記述も調査中で、これも次年度には印刷の予定である。 4.次年度の予定 史・資料が準備されたので、頭役制、宮座等についての理論を互いに確認し、研究のまとめとしたい。
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