研究課題/領域番号 |
60301054
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
田中 穂積 関西学院大, 文学部, 教授 (60098324)
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研究分担者 |
鈴木 一州 神戸大学, 教養部, 教授 (40031306)
桂 圭男 神戸大学, 教養部, 教授 (80031285)
鈴木 利章 神戸大学, 文学部, 教授 (30073357)
杉村 貞臣 関西学院大学, 文学部, 教授 (90103126)
柘植 一雄 関西学院大学, 文学部, 教授 (50098331)
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キーワード | ヨーロッパ史 / 政治形態 / 身分・党派対立 / 政権交替 |
研究概要 |
今年度の各役割分担による研究実績は以下の通りである。(1)古代:ローマ初期の政権についてはそれを制約した市民団の結束を市民団の誓約ならびに自力救済的市民倫理に求めた。前3世紀のアテナイの政権については外国支配からの独立と政局指導層の変化の経緯を明らかにし、なお広くヘレニズム世界に関しては王権とへゲモニーの問題を追求した。(2)中世:ビザンティン帝国についてはマケドニア王朝の皇帝交替事例を家系連続と皇帝不可侵の原理から考察し、イギリスについてはノルマン王朝をプランタジネット王朝と比較し、その非連続面を検討した。ドイツについては15世紀以降のハプスブルク家の独占的な皇帝位獲得の理由を国家の財力、ローマ教庁との関係から究明し、都市に関してはツンフト代表者による都市参事会がいかなる社会層によって主導されたかを解明した。(3)近代:17世紀イギリスについては、王政-共和政の政変期におけるキリスト教諸派の政治イデオロギー、また共和政-王政の時期における地主ジェントリーの特権強化等を取り上げた。 フランスについては、ナポレオン政権下の農村工業の脆弱性を東部ノルマンディの農村におけて実証し、パリ・コミューンの評価に関しては現代の社会主義を対比する観点に立って諸学説を再検討した。(4)19-20世紀:アメリカについては、ネイティビズムをマサチュセッツ州のアイルランド系移民に対する救貧政策から分析した。イギリスについては、第二次選挙法の改正以後の労働貴族にみられる階層区分について、第一次大戦前の軍政に関してはホールディン改革中の騎兵問題の失敗について等を考察した。ロシア革命については、共産党指導部だけでなく、党員、大衆の動向も重要であるとの反省から、彼らと党指導部の相互関係を詳細に検討してきた。
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