研究課題
本年度の研究活動は二つに分けられる。第1は、昨年度に行った行政エリート(高級官僚)調査のデータを分析し、これを論文にまとめる作業である。研究会活動が行われ、京大大型計算機センターの共用ファイルに入力したデータを様々の角度から分析した。現在のところ、次のような点の発見又は確認が行われ、一部は論文として公表された。(1)社会的属性や出身に関しては、前回(1976)調査との変化はほとんど見られない。(2)前回調査とのちがいは、官僚による環境変化の認知に見られる。官僚意識の変化が、前回調査時点の問題がオイルショックであり、今回の場合は経済摩擦であることから生じていると思われる。(3)首相のリーダーシップが大きくなっていること、省庁の中には、この首相リーダーシップの拡大によって利しているものとそうでないものが分れることが分った。第2は、国会議員面接調査が行われた。正確にいえば、本報告を書いている時点では、サンプルの大部分との面接を終了したものの、売上税問題と重なって、あと数人との面接に難行して、完全に終っているとはいえない。しかし、すでに完了した質問票を読むだけでも国会議員の自信の増大が感じとられる。面接調査に関連しては、質問文を作成するための内外文献の研究、外国における質問文の翻訳などが、研究会活動を通じて行われた。
すべて その他
すべて 文献書誌 (8件)