研究課題/領域番号 |
60301096
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
奥林 康司 神戸大, 経営学部, 助教授 (90030717)
|
研究分担者 |
渡辺 峻 立命館大学, 経営学部, 教授 (80066729)
安井 恒則 阪南大学, 商学部, 教授 (60098217)
宗像 正幸 神戸大学, 経営学部, 助教授 (50030713)
浪江 巌 立命館大学, 経営学部, 教授 (40066931)
庄村 長 東京都立商科短期大学, 商学科, 助教授 (30154347)
|
キーワード | マイクロエレクトロニクス / 多品種少量生産方式 / 労働内容 / 技能の二極分化 / 階層的組織 / フラットな組織 / 柔構造組織 / 労働組合の発言力。 |
研究概要 |
昭和61年度の主要な研究課題は、(1)エンジニアが設備や労働者に対してもっている価値観およびその設計原理を明らかにすること、(2)昭和60年度のアンケート調査に基づき明らかにされた問題点について現場の聞き取り調査を行なうことであった。エンジニアを対象としたアンケート調査においては252社より回答を得た。エンジニアの職務設計原理についてのこのような多数の調査票は従来の研究では得られなかったものである。 また、MEが導入された作業現場の聞きとり調査は10社とし労働組合に及んだ。アンケート調査は労働組合を対象としていなかったので、聞きとり調査により、労働組合の立場を確認することができた。調査の結果として得られた新しい事実は次の通りである。 1.わが国の職場組織は、新しい技術の導入に対して比較的柔軟に対応している。現場の作業者の人数は激減するが、係・課の数はそれほど変動しておらず、係や課の間で人数を調整し合っている。係あるいは1つの職区が工場あるいは事業所の最小の組織単位となっている。 2.エンジニアはシステム設計の基本原理として、コスト・品質・省力化と並び、変化への柔軟な対応を挙げるまでに至っている。このことは多品種少量生産原理が技師の設計原理にまで固定化したことを示している。 3.エンジニアは、制御の理論と並んで、経営学や人間工学を学習する必要を強く認識するに至っている。 4.エンジニアが設計前提としている労働者像と現実の労働者像との間にはギャップがあり、現実の労働者像は自己実現型労働者像に一層接近してきている。
|