研究分担者 |
立石 義明 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (00150392)
水野 博志 福岡大学, 商学部, 助教授 (90131846)
岡部 鐵男 九州大学, 経済学部, 助教授 (10127996)
上領 英之 広島修道大学, 商学部, 教授 (00140632)
村松 司叙 成蹊大学, 経済学部, 教授 (60054300)
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研究概要 |
本年度の研究は、理論研究を深める意味での実証研究をするものと、理論モデル研究をするものとに分れて行なった。前者には、市村,村松,上領がとり組み、その業績を学会誌等に掲載している。村松の研究では、企業合併のインパクトが資本構成に与える影響を分析し、日米比較を行っている。 上領の研究では、主に会計資料による資本コストの実証分析がその中心におかれており、会計的アプローチ自体の深化・拡充がその測定をさらに一層確かなものにすると同時に、資本コスト方法論の基礎を、会計的生産関数、投資関数さらにはトービンのqとの相互関係の中で、かかる基礎を構造的に固定しようとしている。市村の研究は、まさに実証と理論研究の相互照合によるもので、1900年以降のアメリカ企業の資本構成の歴史的変遷を簿価資料,市価資料,取替資料,フロー資料などによる実証分析の結果を理論モデルとの関連で個別的に検討し、かかる決定要因に対する静学的分析をしている。 水野も実証研究における日豪比較の研究中である。他方、後者の研究には岡部,安田,立石がとり組み、安田,立石は昨年の日本財務研究学会で、それぞれの理論モデル研究を報告している。安田の研究では、ミラー以降の社債金融に対する税制問題が中心に資本構成への税制の影響を検討している。 立石の研究は、とりわけスコットの破産を考虜した資本構成モデルの検討が中心である。岡部の研究では、レバレッジと企業成長をテーマにしたモデルを戦略的財務管理モデルの枠組でとらえ、ゲーム理論をそのモデルに応用する形でのモデル分析を手がけている。全般的にみて、本年度の研究進展状況については当初の計画通りにすべての分担者がそれぞれの研究活動を順調に進めているようである。
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