研究分担者 |
杉浦 光夫 東京大学, 教養学部, 教授 (50012258)
猪狩 惺 東北大学, 理学部, 教授 (50004289)
和田 淳蔵 早稲田大学, 教育学部, 教授 (50063342)
梅垣 寿春 東京理科大学, 理学部, 教授 (00015992)
黒田 成俊 学習院大学, 理学部, 教授 (20011463)
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研究概要 |
この研究では, 関数解析の手法を解析学の多くの分野に応用することを目標とし, 見るべき進展があった. シュレディンガー作用素のスペクトル理論・散乱理論においては, レゾルベントの超局所評価, 基本解の問題, 散乱行列の構造と漸近的挙動を解明した(磯崎洋, 北田均, 中村周, 田村英男, 谷島賢二). また, 双曲型ならびにフックス型方程式が, ジュブレー族の空間で'適切'であるための条件が得られた(小松彦三郎, 田原秀敏, 瓜生等). 関数空間論では, 関数-調和解析の方法によって, ある種の有界性の条件を満たす信号関数の全体が再生核をもつヒルベルト空間となり, その核関数が標本関数であることが示された(梅垣寿春). 作用素環ならびに関数環の理論においては, C^*-環の一径数群が研究され(岸本晶孝), またマルチンゲール理論のハーディー空間への導入に成功して多くの結果を得た(新井仁之). 実解析の分野では, 積空間上の混合ノルム空間に新しい型の凸型定理を与え, その応用として, フーリ工変換の球面和および掛谷の最大関数の評価を与えた(猪狩惺). 等質空間上の調和解析では, 特に著しい成果は半単純アフィン対称空間上の調和解析の研究で, この空間上のL^2空間における正則表現の離散系列を決定し, 連続スペクトルの決定とその上のフーリ工反転公式の証明も大詰めに来ている(大島利雄, 松木敏彦).
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