研究分担者 |
小野 昭 九州大学, 教養部, 教授 (80038405)
相沢 貞一 神戸大学, 理学部, 教授 (20030760)
望月 清 信州大学, 理学部, 教授 (80026773)
松村 睦豪 筑波大学, 数学系, 教授 (30025879)
上見 練太郎 北海道大学, 理学部, 教授 (10000845)
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研究概要 |
この総合研究は常微分方程式,偏微分方程式,およびこれらの両分野にまたがる諸問題について行われたが、主として偏微分方程式論の分野での研究成果を報告する。 まず線形偏微分方程式については、〔1〕初期値問題(双曲型方程式の場合の適切性,特異性の伝播,複素変数の方程式,シュレーディンガー方程式など),〔2〕初期値境界値問題(放物型方程式,双曲型方程式,グルサー問題など),〔3〕境界値問題(主として楕円型方程式,スペクトル理論を含む),〔4〕局所理論(解の一意性,準楕円性,擬微分作用素),〔5〕散乱理論,などの研究が組織的に行われた。 次に非線形偏微分方程式については,〔1〕楕円型方程式(正の解の存在,解のヘルダー連続性,変分不等式),〔2〕放物型方程式(単独または連立方程式に対する正の大域解の存在に関するものが主),〔3〕双曲型方程式(局所解または大域解の存在に関するものが主),〔4〕流体力学およびボルツマン方程式(圧縮性粘性流体の方程式に対する局所解または大域解,ボルツマン方程式の大域解,ナビアニストークス方程式の弱解,幾つかの基礎方程式の間の関係),などについて多くのすぐれた研究が行なわれた。 1985年,1986年ともに,常微分方程式と偏微分方程式の両分野の研究者が集まった大規模の研究集会を行った。 また研究分担者の周辺の研究者を中心とする小規模の研究集会を幾つか行った。 この2年間にこの分野で行なわれた研究発表,討論および情報交換は非常に活発であった。 なお,常微分方程式論の研究成果については,木村俊房教授が研究代表者である総合研究Aの報告書でくわしく報告されることになっている。
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