研究課題/領域番号 |
60302015
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中野 武宣 京大, 理学部, 助教授 (30027346)
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研究分担者 |
観山 正見 京都大学, 理学部, 助手 (00166191)
福井 康雄 名古屋大学, 理学部, 助手 (30135298)
池内 了 東京大学, 東京天文台, 助教授 (90025461)
海部 宣男 東京大学, 東京天文台, 助教授 (50011630)
内田 豊 東京大学, 東京天文台, 教授 (90012814)
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キーワード | 星生成 / 原始星 / 赤外線天体 / 双極分子流 / 回転ガス雲 / 分子雲 / 磁気星間雲 |
研究概要 |
星の生成過程に関する研究を行った。研究成果の一部を次に述べる。 1.星間雲中の磁場の散逸の速さは、各種荷電粒子の存在量に依存する。気相に残る重元素量に関するいくつかの極限的な場合について、荷電粒子の存在量を調べ、その結果にもとづいて、磁場の散逸時間を調べた。その結果、雲の密度が【10^(11)】【cm^(-3)】以下では、磁場の散逸時間は自由落下時間の10倍をこえ、従って、雲の磁束を大幅に減少させることは不可能であることが明らかになった。 2.差動回転する等温の軸対称平衡ガス雲の重力不安定性を、三次元流体シミュレーションによって調べた。不安定性の現れ方の回転の強さに対する依存性を明らかにし、マクローリン回転楕円体の不安定性との対応関係を調べた。 3.双極分子流の中心にある赤外線源の偏光を、多数の源について観測した。その結果、ほとんどすべての赤外線源について、偏光の方向は双極流の方向に直交していることがわかった。また、分子流の方向は周辺の銀河磁場の方向と平行な場合が大部分であることもわかった。これは、星間雲が磁場に沿って収縮して平板状となり、その中で星が生れ、分子流の方向と赤外散乱光の分布が星のまわりの平板構造の雲に規制されている、というシナリオと整合性がある。 4.原始星円板が多数発見され、その性質が明らかにされつつある。回転しているものが多く、回転軸の方向は双極分子流の方向にそろう傾向が強い。しかし、中には円板の軸と回転軸が相当大きくずれているものや、ほぼ直交する2方向の双極流をもつもの等、星生成領域の複雑さを示すものがあり、今後の研究課題を提供している。
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